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自然の恵みと人間をつなぎ、日本の食を支える
農業生産者の仕事は、農畜産物を作り、市場や農協、個人へ出荷することです。米や野菜、果物だけでなく、観賞用の植物や家畜を育てる農業生産者もいます。
農業生産者は、作物を育てる「耕種農家」と家畜を育てる「畜産農家」に大きく分けられます。農畜産物の種類によって栽培・飼育方法や収穫時期は異なりますが、いずれも肉体労働が基本で体力が必要な仕事です。ただ近年、農作業を補助するパワーアシストスーツや農薬散布に使うドローンなど技術が広がり始めており、従来よりも肉体的な負担は軽減されてきています。
また、農業は天候によって収穫に影響が出ることもあれば、社会情勢に左右されることもあります。自然環境や時代の変化を見据え、育てる農畜産物の種類を検討したり、出荷量を調整したり、栽培方法を見直すなどの工夫も必要です。
日本の食料自給率は低く、その理由として農業生産者の高齢化やそれに伴う耕作放棄地の増加といった、農畜産業そのものの衰退が挙げられます。
近年、こうした現状を打開するべくさまざまな取り組みが行われています。非農家出身者でも農業に参入できるような支援策を打ち出したことで、新たに農業を始める人が増えた地域もあります。
こうした施策によって、地方の活性化や人材不足解消、国際競争力の強化などが進むことが期待されます。
農業生産者の仕事は自然条件に左右されやすいため、労働時間や休憩、休日などに関する労働基準法の一部規定の適用外となっています。収穫期などの繁忙期は休みが取れないほど忙しい一方で、閑散期は数ヶ月にわたって仕事がないこともあり、この間にアルバイトなどで副収入を得る人もいます。
農業生産者になるために、特別な学歴や資格は必要ありません。土地があり、農畜作物を育てる技術と知識があれば始められます。かつては家業として農業を営んでおり、作業を手伝いながら実践的に知識や技術を身につけ、後を継ぐのが一般的でしたが、近年は農業法人の従業員として働いたり、自らの力で土地や人材を確保し新たに農業を始めたりするケースも増えています。そのためには、農業高校、農学部のある大学や専門学校、農業大学校などで農業のイロハから学ぶことが役立つでしょう。
また、後継者のいない既存農家の事業を継承するという方法もあります。既存農家としては後継者問題を解決でき、農業を始めたい人にとっては栽培や経営のノウハウを学べるだけでなく、農地や機材、販路など農業経営に不可欠な資産を引き継げるという点で互いにメリットがあります。