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古典から現代まで 文学作品を通して日本人や日本社会の本質に迫る
日本語で書かれた文学作品を読み、その作品の解釈を深めていくのが日本文学の学びです。文学作品と一言で言っても、小説や評論、詩、短歌、随筆、戯曲、近年では映画やアニメなど、その対象は多岐にわたります。
文学作品には、著者の思いやその作品が作られた背景など、様々な要素が反映されています。また、ひとつの作品を読み解くためには、文学だけではなく心理学、哲学、歴史、文化などの分野も関係してくることが少なくありません。様々な視点からその作品の意味を考え、知見を深めていく学問です。
文学作品を研究するための切り口は様々です。特定の作品を取り上げてその作品のメッセージを読み解く「作品論」、作家に注目してその作風や思想を研究する「作家論」、作品を通して当時の社会情勢や文化などを読み解く「文化論」、時代をまたいで文学作品が表現してきたテーマの移り変わりを見渡す「文学史」など、様々な視点から文学作品を考えます。
一方で、日本語そのものを研究対象にする「言語学」という領域もあります。言語の変遷をたどる「国語史」や、日本語の発音や表記などを改めて考える「日本語学」、国や時代の異なる言語と比較して日本語の特徴を探る「比較言語学」などの授業もありますし、古典文学の場合は「古典文法」の理解が必須になります。
また、学ぶ時代によっても「古典文学」「漢文学」「近現代文学」とジャンルが分かれています。大学によって、入学時からジャンル別に学部・学科が分かれていることもあれば、最初のうちはまんべんなく学び、学年が上がるにつれて自分の専攻を決めていくというパターンもあります。
日本文学の学びを活かした進路先としては、出版業界やマスコミなどがあります。相手に伝わりやすい論理的な文章を書く力や、高度な文章を読み解く力などが活かせる業界です。人気の高い業界のため、就職活動の競争率は高くなります。 中には作家として活動する人もいます。ただ、作家として身を立てるためには、大学の学びだけではなく自分自身でも努力を積み重ねることが必要です。在学中から作品を書き続けて文章力を磨き、作家性を深めるためにいろいろな経験や知識を身につけながら、ひたすら作品づくりに打ち込んだ先にたどり着ける世界です。
文学を学んで身につく文章力や読解力、表現力は、その他にも様々な分野で活かすことができます。一般企業での営業や事務として活躍する人も多いですし、人の気持ちに寄り添う力は公務員の仕事にも生かせるでしょう。また、教員免許を取得して国語の先生になる人もいます。
分野を問わず幅広い就職先があるのがこの分野の魅力です。
国語/日本史/地理