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身体機能の回復を促すリハビリテーションについて学ぶ
主にけがや病気で体を動かしにくくなった人に対して、起きる、座る、立つ、歩くといった基本的な動作能力を回復させるリハビリテーションを提供するのが理学療法士です。理学療法士に必要な知識・技術を学ぶのが理学療法学です。理学療法士は、医師や看護師などと患者の情報を共有し、連携して活動することが多く、コミュニケーション能力が重視されます。また、患者の体に触れる場面が多く、信頼関係の構築が何より重要です。地域の人々との交流を通して人間性を高めようと、ボランティア活動を推奨する大学もあります。また、退院後のよりよい生活環境への理解を深めるため、福祉住環境コーディネーターの資格取得を支援する大学もあります。
まず、講義と実習で体のつくりや運動機能に関する基礎知識を身につけ、リハビリテーション概論、物理療法学などの科目で理学療法の概要を理解します。学年が上がると、整形外科学や運動学実習などの授業で人の体が動くしくみを学んだうえで、体の状態を診断し、運動療法と物理療法(温熱、寒冷、電気刺激など)をどのように取り入れていくべきか考える力を養います。高学年になると実習や演習がさらに増え、臨床実習に向けて、検査技術や各療法の知識・技術だけでなく、患者への配慮やアドバイスの仕方を含め、総まとめをしていきます。卒業研究では、各種測定機器を活用しながらリハビリテーションの効果についてさまざまな視点から考察します。
理学療法の対象は、けがや病気で体を動かしにくくなった人に限らず、長期入院で体力が低下した人や高齢者など、身体機能の低下を予防する必要がある人や、日常的に体を酷使するスポーツ選手など幅広く、ニーズが高まっています。就職先は病院だけでなく、福祉施設や保健所、保健センター、プロスポーツチーム、医療機器関連企業などさまざまです。付属病院や関連施設がある大学なら、実習先にも恵まれ、就職にも有利でしょう。
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